設立者からのメッセージ


理事長 原田大輔

「タンバリンを使ったスポーツをやっています」とタム競技を紹介する時、ほぼ決まって相手の反応のなかに小さな笑いが含まれる。確かにこのスポーツの話を初めて聞いたときは、自分自身も同じようなリアクションをしたので、どのようなイメージが頭に広がっているのかはとてもよく解る。タンバリンでスポーツって、やはりどこか滑稽だ。しかし、一度でもこの競技風景を見てもらえれば、意外にも真剣でちゃんとしたスポーツであるかが伝わるはずだ。そして、実際に何度かプレーする機会があれば、そのタンバリンバットがこの競技に重要な要素を与えていることに気づいてもらえるだろう。

まず一つに、音がある。一部のサイレンスバットを除いて、タンバリンバットでボールを打つとパーンと大きな音がする。またそれぞれ異なるプレーヤー、バット、スタイルや状況によって生み出される音は多様だ。試合中ラリーが続き、それらの音がコートという空間に響き合うのは心地よく、選手・観客の気持ちをも自然と昂ぶらせる。異なる人々が一つの場で出会い、そして真剣に戦う時、個々それぞれが反応しあって共鳴を起こすのだ。

次にタンバリンバットは、日常忘れ去られている身体感覚を甦らせる。タム競技はテニス・バトミントンに似ている部分も多いのだが、そのバットはそれらのラケットと比較すると極端に短い。そのためスピードも幾分遅く、運動範囲も少し狭まる。しかし逆に言えば、体をより本能的・瞬時的に動かさなければならなくなり、またボールを打つ手ごたえは直に身体に伝わってくる。このタンバリンによってもたらされる音と身体感覚。これらがタム競技の主な特徴であり大きな魅力だとおもう。

そしてこのタンバリンバットを手に取ったときから、世界に対して何らかの関係性が始まるのだ。自分の身体を通じて、世界とつながる。異なる文化、国籍の人々がタム競技によって出会い、互いに関わりあう。そのためにはより多くの、皆さん一人一人の力強い音と参加が必要です。タムジャパンと一緒に世界との共鳴を起こしてみませんか!


副理事長 井上篤子

ヨーロッパで私達は不思議なスポーツに巡り合いました。タンバリンのようなものを使ってのスポーツです。どことなく羽子板を思い出すような、バトミントンのような、テニスのような、手打ちのような、ビーチバレーのような。参加してみると、たちまちゲームの面白さに魅了されました。

初めて出場したチャンピオンシップ大会の試合では、一流選手の迫力に圧倒されました。また、試合の合間で子供たちや年配者が各国の選手と交わってラリーをしているという素晴らしい光景も目にしました。そこには言葉の壁も、年齢の差もなく、ただ純粋にタンブレロを楽しむ人々の姿がありました。

協会の原点は、そこにあるのだと思います。この不思議で楽しいスポーツを通じ、人々の輪が広がってゆくこと。新しいスポーツを単に日本に輸入するというのではなく、「タム競技をパラリンピック/オリンピックの正式競技へ!」という夢の実現のために、日本も積極的に貢献していきたいと考えています。まだまだ世界的には発展途上にあるタム競技ではありますが、そこには国を越えた強靭かつ暖かい横のつながりが存在します。「世界に広げたい」という熱意があります。今後、国際協会と連携し、タム競技に関わっていく人々の輪がさらに広がることへ貢献できたらと切願します。


理事 吉村瑞恵

1999年夏、イングランドのデボン州で開催されたタンブレリトーナメントに参加したのが、私がタム競技と出会った一番最初のきっかけでした。牧場に4つのコートが作られ、タンブレリの試合を楽しみ、参加者みんなで食事をし、陽気に歌い語りあう、タンブレリが結びつけた人との出会い、コミュ二ケーションの手段は言葉だけではないということを実感できた経験でした。それがきっかけにもっと深くタムスポーツと関わることなり、それを通じて多くの人に出会い、楽しさを分かち合い、言葉を超えた心のふれあいを経験させてもらっている気がします。

もともとイタリアや南フランスで盛んだった、楽器のタンバリンに似た丸い形をしたバットを使って行われる競技(タンブレロ)が、スコットランドではタンブレリという競技になり、ドイツではタムビーチとなり、それぞれの競技はルーツは同じですが、まったく違う個性をもっています。ユニークな歴史をもったタムスポーツの輪を日本でも、もっといろいろな人に広げたくて、私が感じたことを伝えたくて、今、その第一歩を踏み出したところです。これからタムスポーツを通じて出会う人たちとその楽しさを分かち合えたらいいなと思っています。